2019年11月27日(水)
徳島ランドリー 寺田敏行氏
「ダイバーシティ経営の推進」
~我が社の障がい者雇用の取り組み~
が開催されました!
徳島ランドリーは「貸しおしぼり業」がメインの会社。
飲食店に行ったら出てくる「布」のおしぼりレンタルです。
ちなみに、「紙」おしぼりではなく「布」おしぼりにこだわっています。
理由は何故なのか?
それは「日本古来のおもてなしの文化」だからです。
始まりは室町時代、旅に疲れた旅人たちを、
旅籠(はたご:現在で言う旅館)の人たちは
塗れた手ぬぐいを差し出して、おもてなしをしたというところがスタートなんだそうです。
なるほどー。
ちなみに法律で
「障がい者雇用 法定雇用率2.2%」ということが定められています。
単純計算すると、「46人雇っているなら、一人は障がい者雇用する」ということ。
しかしながら、徳島ランドリーはこのような法律がでる遥か前から障がい者雇用をし
法定数を遥かに超える人数を採用!
さらには、10年以上勤めてくれている人もおり、
中には36年間勤めている人もいるんだとか。
さて、冒頭の質問。
なぜ、障がい者雇用をするのか?
で、2)の社長さんが多いんですよね。
このくらいの規模の会社になると
「あぁ、うちももうすぐ1名雇わないといけないな」
と嘆いている。
でも、寺田さんは語ります。
障がい者の「得意なことへの理解」が必要とのことです。
・仕事を一度覚えると強い
仕事を覚えるまでには3倍以上、それ以上かかることもある。
でも、一旦覚えると、健常者より遥かに正確で速い。
かかる ルーティーンワークが得意!
・遅刻欠勤がほぼ無い
規則正しい生活を送るので、風邪もほぼひかない。
安定して労働を計算できる。
・離職率が極端に低い
徳島ランドリーでは16年で辞めた人が2人だけ。
しかも、家族の引っ越しと定年退職だけ。
もちろん、デメリットもいろいろ言われました。
「苦手なことへの理解」をしようということで
・あいまいな指示はしない 「ええ感じにしといて(笑)」などはNG。
・視覚で認識(見える化) 写真、イラスト、張り紙などで伝える。
・根気強く伝え続ける 何度も何度も理解するまで伝える。
・特性に対する周りの配慮 叫ぶ人もいれば、声が出ない人もいる
よくある就職受け入れで
「なんか、入社して来たら思ってたんと違う」ということ。
企業側が思うこともあるし、
社員さんが感じることもあります。
ところが障がい者雇用の場合、それがほぼないとのこと。
理由は「職場実習の受け入れ」です。
就労支援のネットワークや、支援学校などの協力により
障がい者が「職場体験」に来ます。
そこで、1ヵ月とか職場体験してもらう。
いや、2ヵ月の時もあれば、3ヵ月の時もある。
高校生の場合なら、1年生の時に1ヵ月、2年生で3ヵ月、3年生で6ヵ月の研修に来てもらうことがある。
それで「この人、いいな」となったら、採用を決める。
学生も会社のことがよくわかってる。
会社としても「戦力になる」ということが分かってる。
人間性もお互いに分かっている。
だから、雇うのだと。
※ここで大切なのは、
そこまで職場体験しても「雇わない」という選択ももちろんするということです。
営利企業なのでやっぱり「合わない」人を雇う訳にはいかないそうです。
それでも学生にとっては
「貴重な職場体験ができた」ということになり、感謝されるそうです。
「うちは仕事ができる障がい者を採用する」ということでした。
寺田さんはこんなことも言われました。
「健常者が、ある日突然に障がい者になる可能性がある」
突然の事故で身体障がい者。
あるいはうつ病などになって知的障碍者。
そんな可能性があるんだということ。
障がい者を雇うことが、
今いる大切な社員さんがもし障がい者になったときに、
そのままスムーズに、雇用を受け入れられる可能性が広がるんだと。
なるほど、こんな考え方もあったか。
最後に石橋副会長からの閉会の挨拶。
「正直、寺田さんを見直しました」とコメント!
実は石橋さんはそろそろ、40名を超えて、
障がい者雇用を「しないといけないな」と感じて
勉強のために、聴きにきたんだそうです。
「でも、そうじゃなかった」
と石橋さんは寺田さんに感謝の気持ちを込めて、閉会となりました。
寺田さん、ご発表をありがとうございます。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございます。