会長方針

2017年度本部会長方針 原点回帰・志を貫く ―ありがとう経営・真の80%黒字経営の実践―

2017年度

2017年度本部会長方針の前に、まず皆様方に心からお礼を申し上げます。よくぞ我々日本創造教育研究所をここまでお育て下さいました。正直、紆余曲折な時代を乗り越えてきましたが、現在の日本創造教育研究所をお創り頂いたのは皆様方のお陰です。私の努力が5%。幹部や社員さんの努力が45%。そして皆様方のご支援が50%です。本当に心から感謝申し上げたいと思います。
また、至らぬ私を支えて下さった各地経営研究会の歴代会長・事務局長の皆様、会員の皆様、そして、貴重なお時間を割いてこの日創研経営研究会のために永年にわたってご尽力頂いております本部役員の皆様、改めて設立総会を思い出しながら、日創研経営研究会の「志」を共有して下さった皆様方には、言葉では言い尽くせぬ恩義を感じております。一度しかない人生を豊かにして下さった皆様には、お手を合わせてお礼を申し述べます。日本創造教育研究所も創業30周年を迎えるにあたり、お一人おひとりにお礼を申し上げます。
特に、TTコースのファシリテーター、業績アップ上級コースのアドバイザー、業績アップ6か月研修のアドバイザー、マネジメント養成6か月コースのディレクター、企業内マネジメントコーチング6か月プログラムのサポーターなどを兼務しながら、本部役員をして頂きました皆様には、重ねてお礼を申し上げます。生涯の恩人です。
30代前半、何とか世に出ようと必死に努力していた時、論語の里仁第四(りじんだいよん)「子(し)曰(のたまわく)わく、位(くらい)無(な)きを患(うれ)えず、立(た)つ所以(ゆえん)を患(うれ)う。己(おのれ)を知(し)る莫(な)きを患(うれ)えず、知(し)らるべきを爲(な)すを求むるなり。」の言葉に出会いました。伊與田覚先生は「地位のないのを気にするよりも、なぜ地位が得られないかを考えるがよい。自分を認めてくれないことを気にするよりも、どうすれば認められるかを考えて努力することだ」と述べておられますが、必死にもがいていた時だけに今でも思い出して涙することがあります。
青年会議所時代は、日本中から選りすぐられて集まった大会社の方々の中にあって、小さな鮨屋の一社長として、学歴もなく劣等感を抱きながら必死に学びました。実力の伴わない舞台にいながら、自分の職業や、会社の脆弱な実態や、未来が見えない現実と闘いながら努力したことを思い出します。日本創造教育研究所も私も分不相応な評価を頂いていますが、すべては皆様方のご支援のお陰です。生意気極まりない本部会長ですが、さらに努力してご恩返しをさせて頂くことを冒頭にお約束致します。

 

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さて、世界経済の動向がいよいよ怪しくなってきました。安倍政権は参議院選挙で勝利しましたが、安全保障関連法案など前途多難であり、イギリスのEU離脱に端を発した円高・株安の負の連鎖は、今後の金融政策を行き詰らせる原因となると思います。
特に我々中小零細企業の受難は続き、どの業種も市場で生き残るのが難しい状態になるものと思われます。例えば、今まではライバル会社と競争しながら何とか生存できた状況は激変し、2017年度からは「自社の生存率」はかなり低いものになるでしょう。①自助努力と、②人財育成と、③経営理念の浸透と、④コア・コンピタンス経営の確立と、⑤ビジネスモデルを改善改革した企業しか絶対に生き残りません。その現実を直視した日創研経営研究会でなければならないと強く確信します。
大手企業は、コスト削減のために中小零細企業に出していた注文を、今後は自社で内製するようになります。営業利益率約16%の家具の「ニトリ」は、物流システムをすべて自社で行なって利益率アップに成功しました。強いところは常日頃からたゆまぬ努力をしているのです。私は理念経営戦略セミナー(二日間)でニトリのコア・コンピタンス経営を長年にわたって定点観測してきましたが、29年連続増収増益であり、人財育成も並ではなく、我々中小零細企業の努力不足を心から恥じています。
ちょっと利益が上がると有頂天になり、ちょっと苦難に出遭うとすぐに悲観する。お釈迦様は「煩悩具足(ぼんのうぐそく)」と言っていますが、現在の社長や幹部たる人物が非常に小さくなったことを痛感します。基本を忘れて表面的な「テクニック」ばかりを追いかけ、経営の基本(社長力・管理力・現場力の三位一体)を愚直に習慣化する努力もしていないのです。
アパレルの「しまむら」は、海外生産をしていた中小企業から商品を購入していました。しかし、現在は完全にSPA(製造小売業)化し、全商品を自社内で生産して高い収益を誇るようになっています。
日本企業の内部留保は352兆円と言われていますが、設備投資をするでもなく、株主配当優先で時価総額ばかりを気にしています。そして、今後収益が出にくくなることを自覚しているだけに、下請け企業を犠牲にしてコスト削減をさらに強め、外注の内製化を勧めていくでしょう。中小企業受難は加速度的に続くのです
一方、中小零細企業は真に経営を学ぶことをせず、日創研経営研究会の仲間たちと一緒にいると、なぜか勉強した気持になり、例会の講演を聞いただけで学んだつもりになっています。危機感が希薄で、変化の激しい時代認識の欠如を強く感じます。第4次産業革命による社会の変革と産業構造の転換が迫る中、2045年問題などは我々の孫や子の問題であり、企業の永続を推進する我々にとって、明確な時代感覚と歴史観を持たければならないと考えます。
私は各地経営研究会の多くで、こうした「憩いの場化」が起きているような気がしてなりません。「赤信号みんなで渡れば怖くない」のような現象が最も恐ろしいのです。
私は口癖のように「社長も幹部も3年先や5年先・10年先を見つめて、そのための準備をしなくてはならない」「中小零細企業は必死でビジネスモデルを変えないと、どんどん廃業に追いこまれ、急速に減少しますよ」「あまりにも近視眼的になっており、目先の順逆に一喜一憂に惑わされている」とお伝えしていますが、正直、中小零細企業の経営者の方々の危機感のなさにはほどほど手を焼いているというのが今の正直な気持ちです。「勉強の苦しみは一瞬だが、勉強しなかった苦しみは一生続く」のです。
また、熊本経営研究会の山口社長も新しいビジネスモデルを構築し、他社が10円で販売しているものを、実に三倍の値段の30円で販売し、お客様も引く手あまたです。ビジネススクール2回、マネジメント養成6か月コース2回、業績アップ6か月研修2回、そして、業績アップ上級コースに至っては実に5回学んでいます。彼を特別研修講師に招きましたが、今後どんどん若手のライバルが現れて市場を食い荒らされる時代なのです。
日本創造教育研究所の創業8年目に志を立て、日創研の研修を受け終わった方々の学ぶ場を各地でつくり、継続していかなければ、真の「中小企業の活性化」はないと、志ある方々と設立したのがこの日創研経営研究会です。
ところが年々「憩いの場化」して安心してしまい、真の経営の学びをしておらず、そうした会員さんほど、未来はないでしょう。日本創造教育研究所で真剣に学んでいる人ほど、その日創研経営研究会の模範となっています。本部役員の方々、本部レクチャラーの方々、各地会長・事務局長にはそうした危機感を啓蒙頂き、自らも積極的に学んで頂きたいと思います。

2017年度の方針を書くにあたって本部の人事案を構想しましたが、業績の良くない(赤字の)本部役員の方々は、すぐに自社の経営に専念して頂くべく考えて欲しいと思います。そうした事柄が起きないように、日創研で「企業経営」に関して真剣に学んで頂きたくお願いします。
富山経営研究会の村上会長は会員さんを動機づけして、理念経営戦略セミナー(二日間)に多くの会員さんと共にご参加されました。名古屋・延岡・福岡など、他にも学んでいる会長は学ぶことの大切さを会員さんに直接啓蒙されています。くどいようですが、各地会長・事務局長にも、率先して日創研の53ある研修カリキュラムを受けて頂き、模範として学んで頂きたいと思います。
学ばずして働く社員さんを守ることはできませんし、家族も路頭に迷わすことになります。日創研経営研究会の悪しき習慣は、運営に時間を取られ過ぎて、肝心の「経営の絶対時間」が不足していることです。ぜひ、無駄な時間を省いて効率的な運営を心掛け、学ぶ時間を優先させて下さい。

なぜ、中小零細企業の利益率が悪いのか。毎年、組織活性化委員会が業績アンケートを取っていますが、黒字と言いながら黒字額はほんの少しという実態もあります。私のリーダーシップ不足が最大の原因ですが、各地経営研究会会長や事務局長は、①本部会長方針②なぜ日本創造教育研究所が日創研経営研究会を設立したのか、その目的の共有を徹底して啓蒙して下さい。
本部役員の皆様だけではなく、各地経営研究会の会長や事務局長も①自分の理想とする会社は何かを真剣に問い、②真剣に自らが模範となって日本創造教育研究所でも学び、③地域でも模範となる日創研経営研究会をつくって会員の方々を導いて下さい。人は挑戦するべき理想がなければ成長しません。基礎コース(SA)、変革コース(SC)、実践コース(PSV)、TTコース(企業内教育インストラクター養成コース)を思い出し、
①どんな会社にしたいのか?
②どんな自分になりたいのか?
③どんな人財を育成したいのか?
④どんな社風にしたいのか?
⑤どう業績を上げたいのか
、初心に戻って自分に問いかけ自社の
現実を真剣に問い直してみてください。
繰り返しますが、人は挑戦するべき理想がなければ成長しません。
ある面は孤独に戻って目先を忘れて、5年後、10年後を見据えて欲しいと思います。全国色々な会があります。しかし、ほとんどが「憩いの場化」されています。
浜松経営研究会には、トヨタ自動車のティア1メーカーの「ソミック石川」の石川社長がご入会頂いています。その他、日創研経営研究会の強みは「素晴らしい経営」をされている方々が多いということです。しかし、今のままだと「立派な会社の方々」は日創研経営研究会を去られるのではないかというのが、私の偽らざる心境です。
実際、ある優秀な会員さんから真剣にご相談がありました。「うちの経営研究会は真に経営の勉強をする経営者がいない。自分は退会しようと思う!」こうした真実の叫びをお聞きして、本部会長の指導不足をお詫びする場面は2016年度も結構ありました。

今後事業継承の問題で苦労するものと思います。「M&A」されるだけの付加価値の高い企業であれば別ですが、中小零細企業の時価総額は殆んどマイナスではないかと予想されます。結果的に廃業に追いこまれる企業が多発することが、今後大きな問題として起こってくるでしょう。
兵庫県に小倉印刷という会社があります。印刷業界は超不況業種で市場はどんどん冷え込んでいますが、その上、インターネット上で印刷を受注する「プリントパック」や、「ラクスル」などの印刷通販企業と呼ばれるイノベーターが現われ、安い価格で利益が上がるビジネスモデルをつくり、ほとんどの印刷業者が消えてなくなり、後継者不在で廃業に追い込まれています。
ところが、小倉印刷は第17期の起業家養成スクールに当時22歳の長男を送り込まれました。今から6年前ですが、卒業した長男はその後も学び続け、インターネットを使った新しいビジネスモデルを開発し、業績を上げる仕組みを作って、2016年の6月に新社長となりました。
小倉新社長は、2016年は業績アップ6か月研修・業績アップ上級コースを学ばれていましたが、熱心に勉強した結果の新社長就任です。東京地区だけでも1,000社以上の新規顧客を開拓し、全国を市場にしたビジネスの展開をしています。自社に魅力がなければ後を継ぐ人間は誰もいません。親として恥ずかしくない会社にしてこそ後継する人間も現れるのです。「まともな経営も出来ず親として恥ずかしくないか!」と自分に問いかけて欲しいと思います。
我々の日創研経営研究会でも、志の高い経営者が会長や事務局長になっている所は、真に日創研経営研究会を通して学んでいますが、ほとんどが会運営のために時間を取られ、結果的に真の学びになっていない経営研究会が多いように思います。
日本生産性本部が毎年実施している、新入社員「働くこと意識」の2016年度の調査結果では、「人並み以上に働きたいか」の質問に対して「人並みで十分」と答えた人が58.3%と、1969年度からの調査開始以来最高を記録しました。景気が回復すると数値が比例して上昇するようですが、日本の中小零細企業の経営者も後継者も「人並みで十分」が蔓延しているような気がします。

こんな会社にするぞという執念もなく、働く人たちが心から誇れる企業にするぞという熱意もなく、創業の精神を忘れた安易な経営者像が日創研経営研究会でも浮き彫りになっています。もう一度原点回帰して初心に戻りましょう。

2016年度の本部会長方針でも述べましたが、中小零細企業数の減少も大きな問題です。1986年度は535.1万社あった我が国の企業数は、2009年度は421万社にまで減少し、2014年度が382万社にまで減少し続けています。
特に日創研経営研究会に所属する方々の中でも、今後は企業規模の小さな会社の退会や廃業などが目立ってくるのではないかと心配しています。小規模事業者(生業・家業)の減少は加速度的に多くなっており、2009年度の小規模事業者は全企業の中で366万社と全体の87%、2014年度は325万社で全体の85.1%でした。廃業や破たんは小規模事業者がほとんどなのです。
日創研経営研究会内では、黒字企業80%の方針を掲げ続けた結果、こうした現象は起こっていませんが、マクロ的には人口減少に伴い、今後も二極化が進むことはほぼ間違いないでしょう。業績悪化が原因でストレス性の病気にかかっている会員さんももいますが、業績悪化は我々経営者にとって不幸の元凶をつくるのです。
また、非常にFCの高い経営者が、私の注意も聞かず軽い社風を作った結果、社員さんが警察沙汰を起こしたという事件の報告を聞きました。「田舞さん、これは私が招いた事件です!」と、反省されていましたが、何を学ぶか、社長がどのような社風を作っているかで、会社は良くもなり悪くもなるのです。

日本のGDP(国内総生産)はこの20年間、実質で480兆円から530兆円の間を推移しています。その風穴を開けるべく、安倍政権は目標600兆円をアベノミクスの政策の一つにしています。
ところが、現在のGDPのうち実に約7割はサービス産業が創りだしており、今後約70兆円の上乗せが主要政策となるでしょう。今まではICT産業に力点を置いておりましたが、今後はサービス産業や精密機器などに政策的にシフトしていくものと思われます。
しかし、こうした業界は労働集約型であり、いかに生産性を上げるかが問われるものと思います。「13の徳目朝礼 全国大会」は武澤副会長や、島ノ江委員長の努力で定着してきました。皆様方のご支援のお陰ですが、実際の活用企業は少なく、三重北経営研究会が71%を超え、「理念と経営・社内勉強会」活用企業は65%を超えています。古市会長のリーダーシップに感謝します。
今後、生産性を高めるには、月刊『理念と経営』で連載しているように「社長力・管理力・現場力の三位一体」が重要であり、幹部や社員の経営意識を磨かなければならないのです。「お金は儲けたいが勉強は嫌いな会社はこれから赤字で苦しむ企業」になり下がるのです。経営に関するボキャブラリーが知的生産性を上げるポイントなのです。経営リテラシーが低い所以(ゆえん)です。
「第三の波」で有名なアルビン・トフラー先生は、私が若い頃に何度も日本青年会議所で講演をお聞きし書物でも学ばせて頂きました。35年前ですが、先生が言われているような時代に100%なっています。
また、姫路経営研究会は、毎月末の理事会で、①経営理念の有無②経営計画書の有無③理念と経営・社内勉強会(6月末で46.9%)④13の徳目朝礼(6月末で72.8%)⑤SA研修受講(6月末で95.1%)の5項目を報告し確認されているそうです。
姫路経営研究会は、赤鹿経営相談委員会委員長が初代会長ですが、青年会議所メンバーが三代連続で会長を務め、理事会の進め方や例会と懇談会、報告・連絡などが、魅力ある明確な会風を創り上げています。藤井会長にも御礼を申し上げます。
特に、北九州経営研究会は、日本創造教育研究所グループの様々なイベントをご支援下さり、昨年は月刊『理念と経営』主催の「第5回ありがとう経営卓越大賞」では、「卓越管理者賞」「卓越社員賞」「特別功労賞」の三賞を受賞され、織田商事の阿部さんの会社では長年勤務した受賞者が涙を流されたそうです。2017年度は、日本創造教育研究所30周年記念事業として「第6回心に残る、ありがとう!」体験談の募集を行なっています。よろしくご支援下さいますようにお願いします。
北九州経営研究会では、月刊『理念と経営』へ応募した作文を、12月の例会事業で表彰式を行ない、さらに新春経営者のセミナーの一環で執り行われた「第5回ありがとう経営卓越大賞」の三賞受賞の快挙となりました。

日本経済は、「2020年の東京オリンピック開催までは何とか持ちこたえられても、それ以後の中小企業・小規模事業者は持ちこたえられないところが多くなるものと推察します。」と述べていますが、今後は2020年まで持たないかもしれない危機感が私にはあります。

今後生き残れる会社の条件は
①コア・コンピタンスを育てた企業
②経営感覚をもった人財が育成されている会社
③差別化商品や、技術や、サービスを提供出来ている会社
④マーケティング機能をもち、ブランドを確立した会社
④新しいビジネスモデルの検討

今や中小企業・小規模事業者は大きな岐路に立たされているのです。

今後、我々がさらに力を入れなければならないのは、経営者の考え方にあると思います。企業はトップの器以上にはならず、中小零細企業の廃業や破たんは、「飯が食えればそれでよい」という考えや価値観が招いていることを考えれば、さらに経営者の目覚めの促進が第一になるものと思われます。
本部会長方針のもと、2015年7月に未受講会員の特別基礎コース(SA)を特別事業として行ないましたが、未受講者よりも再受講者が多いという結果となり残念です。ただ、未受講会員ゼロの経営研究会もあり、未受講会員の多い会の今後のフォローが重要になってくるものと思います。
尾張経営研究会では、実践コース(PSV)100%修了を宣言されているそうです。さらに再受講の方々も含め、参加された方々が可能思考研修で目覚められ、使命感に燃えた経営を為されますよう祈念しています。どうか未受講会員の可能思考教育への参加促進も今後粘り強く行なっていただきたく思います。

会員増強も次の5,000名に向けて、2016年は重要な年と位置づけ努力してきましたが、退会者が多く、2017年度の組織活性化委員会を中心に、如何にしたら退会者を防止出来るかを、本部理事会含めて真剣に討議していきたく思います。少なくとも我々日創研経営研究会は、ここで学べば「会社が良くなる」という評価を受けてきました。色々な会がありますが、日創研経営研究会は、日本創造教育研究所の可能思考教育を受けた方々の受け皿として発足した会です。生業・家業的に考える会員さんがいれば、地域に誇れる会社になるべく啓蒙して、小規模事業者的感覚から、未来に可能性を持って経営感覚に舵を切る立派な会社の集まりとして学びを強化して参ります。まさに「価値に気づき」「可能性に気づく」経営の促進をしていくべきと考えます。
日創研経営研究会として最も誇りとするのが、アイ・ケイ・ケイの金子社長です。佐賀県伊万里市(人口5万人弱)から全国に展開し、全店舗が黒字という驚異的なコア・コンピタンス経営を行なっておられます。東京証券取引所一部に上場されていることは既にご存知だと思います。
このような企業が在籍されているということを誇りにし、立派な経営をされている企業に恥じない日創研経営研究会にしようではありませんか。

うまくいかず、今後消えていく企業
①経営者に志・理念がない。
②人財育成を実践していない。
③新市場開拓をしていないだけでなく新商品開発も遅れている。
④社内がギクシャクとしており幹部が育っていない。
⑤付加価値を作れず価格競争に巻き込まれている。
⑥サービスが低下しているのに手を打っていない。
⑦顧客満足の意識が低い。
⑧社長幹部に危機感がなく学ぶ意欲がない。
⑨自己満足で認知脳が不足している。

つまり、外部環境の厳しさに社内の方々の意識がついていっていないことです。何が何でもお客様に「ありがとう」を頂こうという、思想や哲学が社内に欠如していることが大きな原因です。私は多くの方々から決算報告を頂く立場にあり、好調な業績の裏に、身を削る様な「コア・コンピタンス経営」の実践を痛感します。やはり、人を育て、お客様が喜ぶようなことに熱心な企業でなければ、もはや生き残りは難しい時代だと言えるのです。
事例で述べさせて頂きますが、福岡経営研究会の織畠会長は、24歳の時に創業し、現在、売上10億円、経常利益1億円を上げています。私が提唱する10%の経常利益率を達成しています。外車を専門に扱い、①ローバーミニ、②BMWミニ、③ジムニーの三車種に絞り込んだビジネスモデルを堅持しています。すでに本部レクチャラーとしても活躍しておられますが、7月に福岡経営研究会の設立21周年記念例会で講演しましたが、少人数の懇談会にも遅くまで参加され、翌朝の始発の新幹線で大阪に移動して、朝9時から業績アップ上級コースに参加されていました。研修会場で見かけて本当に驚きました。
私は最近、伊與田覚先生の影響を受け、渋沢栄一の「論語と算盤(理念と経営)」に深い共鳴をうけていますが、織畠会長はマネジメント養成6か月コースのチーフディレクター兼務で京都・霊山歴史館で行なっている社長塾などでも必死に学んでおられるのです。
やはり、好業績を上げている経営者は時間を有効に活用して必死に学んでいます。我々はあくまでも学ぶことを再度確認していこうと思います。

2016年度は次の5,000名への会員増強に向けての大きなステップの年と位置づけました。日創研経営研究会に入会すれば、月刊『理念と経営』や「13の徳目朝礼」などの公式教材があり、素晴らしい業績を上げている本部レクチャラーの方々がたくさんいます。日創研経営研究会に入会すれば業績が良くなると言われるべく、さらに最善の努力をするべき時だと方針を掲げましたが、未だその方針は一部の方々のみにしか理解されていません。 再度、各地会長や本部役員の皆様方には、「『理念と経営・社内勉強会』100%導入」・「13の徳目朝礼100%導入」を各地会長に徹底した啓蒙をお願いします。
多くの会員企業では「強くて良い会社づくり」のために、日本創造教育研究所の可能思考教育を導入されていますが、そのフォローの意味でも、「自己への気づき」から「経営への気づき」に昇華させていかなくてはならないのです。
①経営方針の理解度を高める
②理念浸透に役立てる
③業績を向上させている企業の事例を学ぶ
④顧客満足の促進意欲を高める
⑤社長の言葉に出せない苦労を知る

『理念と経営・社内勉強会』には、様々な経営知識や実務経営で不可欠の情報がたくさんあります。
また、社内のコミュニケーションを促進する上でも大切な役割を果たします。お互いに設問を通してディスカッションすることで、協働の自発性が生まれ、お互いの人間関係が円滑になり組織化するのです。つまり、マネジメント能力が高まっていくのです。人のマネジメント、仕事のマネジメントの両面で効果が生まれます。

「13の徳目朝礼」の実践は、
①今週の経営課題の発表
②人間性を高める徳目のチェック
③仕事の上での気づき
④日々の方針管理
⑤お互いの価値観の共有
⑥理念浸透
⑦働く人々の経営意識の向上
⑧人間性の向上

毎日チェックすることから「習慣」にまで高めていくのです。
人材育成を嘆くことなく、職場の中で二つのことを実践することで社風が変わり、業績が上がっていきます。今後入会の皆様方には可能思考教育の受講はもちろんのこと、公式教材の導入の意味合いも啓蒙して頂きたく、先ずは自らの会社で実践をお願い申し上げます。
全国大会in岡山では「第7回13の徳目朝礼全国大会」を行ないますが、さらに模範となるような会員企業様の「社員さんによる13の徳目朝礼」を発表します。2018年度に関しても、武澤担当副会長、島ノ江担当委員長に、「13の徳目朝礼全国大会」の今後の有り方を他の副会長も交えながら決定して頂きます。案ずるより産むが易しです。 どんどん実践的な内容にしていきたく思います。
我々の最大の経営課題である「人材育成」に寄与していかなければなりません。

方針実現に向けての具体策
①会員5,000名に向けての準備と、各単会会員数50名実現に
向けての増強支援
②全国大会in岡山の成功と「13の徳目朝礼全国大会」開催
(社内への「13の徳目朝礼」の100%導入)
③全国経営発表大会の開催
④可能思考研修未受講者のPSVまでの修了促進とTT参加促進
⑤本部レクチャラー(黒字企業のみ)の育成と各地経営研究会への
派遣支援
⑥「理念と経営・社内勉強会」の社内への100%導入
⑦特別研修の開催
⑧日創研の職能教育の導入

2017年度 本部会長方針

①会員5,000名達成のための準備と、組織活性化委員会の強化
並びにブロック長・副ブロック長の育成
②退会者防止の具体策の実践
③全国大会in岡山の成功
④本部レクチャラーの育成と最大活用
⑤職場内教育として、「理念と経営・社内勉強会」や「13の徳目朝礼」を社内に導入し、人財育成に努めよう
⑥可能思考研修未受講者や基礎コース(SA)で止まっている会員の実践コース(PSV)の修了と、TTコースへの参加促進、
その後の職能教育の継続学習
⑦会員増強と質の向上(例会出席率70%)、新入会員さんへのオリエンテーションの実行とコミュニケーションの強化

方針1)会員5,000名達成のための組織活性化委員会の強化とブロック長・副ブロック長の育成
日創研経営研究会も4,300名を越す大所帯になりました。これはひとえに各地会長・事務局長や本部役員や本部レクチャラーの皆様の、地道な会員増強や分封によるものであり、さらに強化して日創研経営研究会の次の目標を5,000名にしたいと思います。
しかし、組織は大きくなることで結束力が低下したり、機敏な行動が取れなくなり形骸化します。ややもすると会員が増えると、価値観が乱れ、守るべき組織の規範が乱れたりするものです。ある意味、当然のことでもあります。

組織活性化委員会だけではなく、各本部レクチャラーの方々には、日本創造教育研究所がなぜこの日創研経営研究会を設立したのか?その原点も必ず講演の中に入れて頂きたく思います。
本部の考え(一つの理念・二つの目的・三つの誓い)や定款を各単会にスムーズに啓蒙し、活性化に課題がある各地経営研究会を支援していきたく思います。日創研経営研究会の未来の鍵を握る重要な使命を認識したブロック長・副ブロック長の育成を行ないます。

方針2)退会者防止の具体策の実践
日創研経営研究会も4,300名となりましたが、残念ながら受け入れ側の問題で退会者も増えています。何が原因で退会者を生み出しているのかの防止策を考え、退会者ゼロ運動を進めていきます。
①入会時のオリエンテーションの実施、②入会前の可能思考教育の告知、③入会後の速やかな可能思考教育の受講、④入会後のレクチャラーを活用した魅力ある例会運営、⑤入会者への丁寧なフォロー等を含めて、会員増強や質の追求を行ないつつ、退会者防止を方針とします。うまくいっていないところは、入会前が曖昧であり、入会後も大切にしていません。人間は大切にされてこそモチベーションも上がるのです。新入会員の方々はお客様と考えるべきです。

方針3)全国大会in岡山を成功させよう
新潟は「愛~あなたの命を何の為に使いますか」の大会テーマで
1,375名を集める素晴らしい大会でした。
逆境の中から、新潟を起点にした「徳真会の松村理事長」の30年間を知っているだけに、「歯科医療改革」に命をかけてアジア一番になりながら、次に世界を目指そうとする講演はまさに愛があり、命の使い方をお教え頂きました。2TTコース卒の我々の仲間ですが、メイン講師として、全員にお聞き頂きたかったと思いました。

岡山経営研究会は、異なる内容の全国大会を準備されているようです。全国の皆様方に、今後の日創研経営研究会の有り方などのパネル・ディスカッションを開催して頂くようですが、宮本武蔵の「我、事において後悔をせず」の大会テーマに沿って進行をして頂きたく思います。
武蔵はつぶやきます。「おれにはまだ、縁を恃(たの)む気持ちが失せない。自力だ、一人だと、常に誡(いまし)め乍ら、ふと人に依りかかる。・・馬鹿だ、浅慮(あさはか)だ、おれはなっていない」そんな心境から脱皮するために、武蔵は雑記帳に自誡の言葉として「我、事において後悔せず」と書き綴ったのです。そして、満足し、胸に誓い、何事にも自分の為したことに後悔はしないというような高い境地へまで到達するには、まだまだこの身を、この心を、不断に鍛え抜かなければ及びもない望みと思い、自分の胸の遠いところへ、理想の杭を打って、堅く信念するのです。
我々経営者にとって必要な自己の完成を、武蔵の自己鍛錬の旅から学びたいと思います。

方針4)本部レクチャラーの育成と最大活用
日創研経営研究会には、可能思考教育だけではなくTTコース、業績アップ6か月研修、マネジメント養成6か月コース、業績アップ上級コース、田舞塾などを学び、かつ優秀な経営をしている仲間が大勢います。そして、そうした仲間たちに本部レクチャラーになって頂き、各地経営研究会の支援を行なっていきます。
皆様方におかれましては、安易に外部の有名・著名な講師などを呼ぶのではなく、特に可能思考研修をご受講され、共通の価値観をもった本部レクチャラーの講演を最大限活用するべきであり、中小企業の成功事例などをもっと真剣に学んで頂きたく思います。


方針5)職場内教育として、『理念と経営・社内勉強会』や「13の徳目朝礼」を社内に100%導入しよう

日本創造教育研究所には、すでに述べたように、公式教材である月刊『理念と経営』や「13の徳目」などのツールもあります。考え方によっては、こうしたものは日創研経営研究会にとっても大きな会員増強の告知ツールであり、財産であり、「ありがとう経営」の道具です。地域に無くてはならない存在として、上手に活用して日創研経営研究会をアピールしていきましょう。
2017年度は、各地経営研究会会員の100%導入を目標にします。

方針6)可能思考研修未受講者や基礎コース(SA)で止まっている会員の実践コース(PSV)までの修了、TTコースへの参加促進、その後の職能教育の継続学習。
日創研経営研究会の設立の動機は、可能思考教育を受けた方々のフォローアップが第一でした。単に学んだだけではなく、各地で継続して学ぶ仕組みとして日創研経営研究会を設立したのです。
同じ研修を受けた方々が、同じ理念のもと、価値観を共有しながら学んでいくのが日創研経営研究会です。
4,300名の会員増強に伴い、可能思考教育の未受講の方々や、途中で止まっている方々も多くおられます。素早い実践コース(PSV)の修了と、TTコースへの参加の促進をお願いします。
各地で活性化されている経営研究会は、計画的なTTコースの派遣などもあり、広い視野に立った活動が行なわれています。また、会員企業様を、真に「80%黒字」にするためにも、業績アップ6か月研修などの職能教育の継続学習が大事です。マネジメント養成6か月コース、業績アップ上級コース、経営理念塾、田舞塾など、経営研究会のみならずもっと日本創造教育研究所の職能教育を取り入れるべきです。特に、潤沢な資金のある会においては、赤字企業に対して、業績アップ6か月研修やマネジメント養成6か月コースの補助金を出すなどの具体的な対策を打って頂きたく思います。

方針7)会員増強と質の向上(例会出席率70%)、新入会員さんへのオリエンテーションの実行とコミュニケーションの強化
日創研経営研究会の組織活性化は、究極は会員企業の業績向上にあります。「あの会に入会すると業績が上がる!」「ためになる!」という評価を得なければ、日創研経営研究会の存在意義はありません。しかし、現実的に地域の評価が得られず、各地経営研究会内部でも様々な問題を抱え、存続すら危ぶまれている各地経営研究会もあります。会員増強と質の向上は永遠のテーマであり、地域を巻き込んだ経営研究会活動が大切だと思います。

この一年、各地経営研究会、本部役員、本部レクチャラーが必死になって会員増強を図ってきました。この二年間の質の向上は目を見張るものがあり、本部会長として心からお礼を申し上げます。退会を防止し、全員が可能思考研修を受講し、次の5,000人に向けての準備を着実に行なっていきたく思います。
特に、中小企業の活性化は日本創造教育研究所にとっても私自身にとっても大きな使命であり、さらなる努力をしていきたく決意しています。

田舞徳太郎
日創研経営研究会 本部会長 田舞徳太郎

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